コミュニケーションが苦手
コミュニケーションが苦手
アスペルガー症候群とは、自閉症スペクトラムに分類されている障害です。ですが、知的能力に大きな問題がみられることは少なく、むしろ言語能力や読み書き・計算を得意としていることもあり、反復練習で習得できるような特定の分野に関する知識が豊富であることも多いです。
その一方で、他者との関わりの中での対人スキルやコミュニケーション能力、いわば反復練習で習得可能な知識には頼らず、周りを見ながら柔軟に行動や発言を選択するような、“空気を読まないといけない”場面を非常に不得意としています。そのため、学校や職場で悪気なく相手を傷つけるようなことを言ってしまい、人から避けられるようになったり、会話が続かず浮いてしまったりし、次第に自信を失ったり、人と関わることにストレスを感じたりしている方も多いのではないかと思われます。
アスペルガー症候群の治療では、まずはWAISやWISC等の知能検査や発達検査を用いてご自身の得意不得意を明らかにしていきます。大切なことは、得意な能力は伸ばしつつ、うまくいっていないことの原因を様々な視点で見つめ、明確にすることであると考えております。アスペルガー症候群の特性をもつ方の多くは、反復練習で習得する力に長けている場合があるため、原因を明確にしてその対応方法を検討し、実際の場面で試すことを繰り返していくと、次第にご自身の経験が知識となって積み重なり、その後の生活に活用していけるのではないかと思われます。また、ご自身の特性を理解してもらえる環境に身を置くこともとても大切です。
当院では、困りごとの原因や対応方法、適応しやすい環境を見つけることのお手伝いをさせていただきます。また、抑うつ気分や不安感などの精神症状がみられる場合には薬物療法が必要となりますので、お一人で抱えずお気軽に当院にご受診いただければと思います。