不安や緊張を感じやすい
不安や緊張を感じやすい
不安とは、日常生活の中で漠然とした特定できない曖昧な脅威を察知したときに、自分を守るために誰もが抱くごく自然な感情であるといわれています。ですが、突然言いようのない不安に襲われ、気が狂いそうな恐怖でいっぱいになり、ご本人の日常生活が大きく損なわれる場合には、不安障害として医療の対象になるといえます。まずは、ご自身の身に起きていることを一緒に整理し、不安や緊張が緩和されるよう治療していきましょう。
不安障害といってもさまざまな種類があるので、代表的なものをご紹介します。
社交不安障害とは、人から注目を浴びるかもしれない状況で失敗や批判を恐れる状態をいいます。例えば、みんなの前で話をする、レストランで食事をする、人前で字を書くなどの行為に過度な不安を感じてしまいます。性格の問題と混同されがちですが、「失敗したらどうしよう」、「恥をかいてしまうんじゃないか」という不安が強くなり、次第に人との交流そのものを避けてしまうこともあります。この疾患は非常にありふれており、一般人口の約13%に認められるといわれています。人前で強く緊張すると感じる人はまずはご相談ください。
全般性不安障害は、毎日の生活の中で漠然とした尽きることのない不安や心配を持ち続ける病気です。この病気の患者様が抱える不安は、持続的で慢性的であり、ご自身でも思うようにコントロールすることが難しく、それにより様々な身体症状や精神症状をもたらします。米国では生涯有病率が5%、つまり約20人に1人が一生のうちに一度以上この病気にかかっているという、思いのほか多い病気です。
全般性不安障害は、不安障害の中では一般的であり、10代半ばに発症することが多いです。しかし、「ただ他の人よりも心配性なだけ」とご自身の性格の問題であると思われる方も多く、治療を受ける機会を逃していることもあるようです。全般性不安障害は発病すると、うつ病など他の病気を併発する可能性が高くなるとも言われておりますので、下にある症状が現れている場合には、早めに受診することをお勧めします。
強迫性障害とは、自分でも無意味であるとわかっていながら、何度も同じ確認行為や考えを繰り返してしまう病気です。例えば、不潔に思い何度も手を洗い続ける、戸締りなどを何度も確認してしまう等があります。
強迫性障害は、治療によって改善することが多い病気です。ある考えが頭に浮かんで考えずにはいられない、何か不吉なことが起こるかもしれないという考えにとらわれて、ある行動をせずにはいられない等があれば、この病気の可能性が考えられますので、お一人で抱えずお気軽にご相談ください。